春の植物園で その 5
- 起糸

- 2023年4月19日
- 読了時間: 4分
こんにちは
心とカラダを整える
ボタニカルライフ
ナビゲーターの起糸です。
今日は
漢方薬でお馴染みの四物湯について
トウキの紹介をします。
・薬用植物園のこと
・四物湯のこと
・トウキのこと
いつかハーブ園のガイドをしてみたい
ささやかな夢があります。
その夢を追いかけるように
コロナ禍が落ち着いた 2 月から
毎月 2 カ所の薬用植物園へ
月いちで通っています。
薬用植物園はハーブだけでなく
生薬や漢方で扱われる植物や
園芸品種としての植物など
様々な方向で学ぶことができますね。
植物全体に対し啓蒙されていくようで
大変勉強になることが
足を運ぶたびに実感しています。
中旬には都内国分寺付近にある
東京都薬用植物園へ
下旬には都内八王子付近にある
東京薬科大学薬用植物園へ
通うことで
それぞれの植物園にある
同じ植物の発育の様を
じっくり観察でき
とても興味深く時間を過ごしています。
さて、
四物湯(シモツトウ)について
深掘りしてみたいと思います。
そもそも、その言葉は
園内にあるシャクヤクの近くに
立っていたプレートから
知り得ました。
以下、引用しますね。
四物湯の構成生薬
トウキ(当帰)、シャクヤク(芍薬)、ジオウ(地黄)、センキュウ(川芎)
これらは婦人病の聖薬と称されます。
血行をよくし、貧血を補い、婦人の血の道といわれる婦人病的諸疾患に起因する症状に用いられます。
男性でも皮膚がカサカサしたり手足が冷えてしびれたりする血虚という症状があれば用いられる漢方薬です。
ここで言う漢方とは何かというと、
これらの薬用植物が見られる区域が
漢方薬原料植物区なのですが
その入り口にある
こんなプレートから知ることができます。
漢方は中国から 6 世紀ごろに伝わり、その後わが国で発達してきた日本の伝統医学です。
江戸中期に伝わった西洋医学を蘭方というのに対して、漢方と称するようになりました。
漢方薬は原則として複数の生薬で組み立てられていて、単独の生薬を用いる民間薬とは区別されています。
う〜ん、なるほど。。
ハーブをブレンドしていただく
ハーブティーのようですね。
皮膚がカサカサしたり手足が冷える
血虚という症状は
私にとって
冬場の大きな悩みどころでした。
少しばかりググってみると
台湾では薬膳スープとして
四物湯はよく作られる
スープだそうですね。
上の記事に作り方が書かれていました。
胃腸の弱い私にも優しいかしら?
薬膳にとても興味があります。
さて、
今回訪れた東京都薬用植物園では
シャクヤクとトウキの
写真を撮ってきました。
シャクヤクについては
春の植物園で その 4 をご覧くださいね。
なので、
今日はトウキについて
ご案内したいと思います。
園内のネームプレートから
以下、引用しますね。
トウキはセリ科の植物です。用部は根。用途は生理異常、貧血、冷え性。成分は精油(リグスティライドなど)セロリの匂いを強くしたような独特の匂いがあるそうです。
精油とあるリグスティライドって
なんだろうと思い調べてみました。
薬学生のための天然物化学テキストから
以下、引用しますね。
Ligustilide リグスティライドは四物湯にあるトウキ、センキュウなどに含まれています。
リグスティライドは抗アセチルコリン作用、抗喘息作用、鎮痙作用などを示します。
日経メディカル処方薬事典 から引用すると
食欲がわく、眠くなるなど副交感神経が優位になると神経伝達物質であるアセチルコリンが分泌され胃腸機能が高まります。
抗アセチルコリン作用とは
胃や腸の痛みや痙攣に使う胃腸薬など
抗コリン薬の主な作用だそうです。
アロマやハーブの世界では
アニスやフェンネル
アンジェリカなど
セリ科の植物が多く出てきますね。
ホルモン様作用や光感作作用など
注意すべき点が色々ある
ちょっとクセの強い植物たちです。
特に、
トウキ ( Angelica acutiloba )の
学名にアンジェリカとあるように
トウキはアンジェリカの近縁種だ
ということが今回分かりました。
(メディカルハーブの事典 林真一郎編)
トウキは
初夏にレースのような白い花を
咲かせます。
東京都薬用植物園サイトでは
トウキの薬用としての用部は根ですが
花が咲くと根が充実しないので
生薬の生産には
良質な根を得るために
花を咲かせないように
栽培するそうです。
今日は、
漢方薬でお馴染みの四物湯について
トウキの紹介をしました。
・薬用植物園のこと
・四物湯のこと
・トウキのこと
お日さまと土と風と水を感じながら
植物のある暮らしに癒されて
起糸でした。
バイバイ。




