あけびと菊花のお料理
こんにちは
心とカラダを整えるハーブ療法士のたかこです。
9 月の連休に山の家に遊びに行きました。
食材を仕入れにスーパーに立ち寄ると、野菜売り場で山形産のあけびに出くわしました。
あけびの美しいラベンダー色は、遠くからも認められ、引き寄せられるように、気づけば、あけびを手に取っていました。
美しすぎる色合いにしばらく眺めていると、おおよそ 10 年は前になると思うのですが、その昔、茨城に住んでいた当時、地元で採れたあけびを使って、イメージのおもむくまま肉詰めを作ったことがありました。
あけびは私の身の回りであまり手に入らない食材です。
珍しさも手伝って、あけびの肉詰めは家族にとても好評でした。
また、家族が喜ぶ顔を見たいと思い、一番美しいと思えたあけびを選んで、買い物カゴに入れました。
肉詰めを作るとなると、食材売り場のあちこちでいろんなイメージが湧いてきて、急にワクワクとした気持ちになり、大きなブラウンマッシュルームや鶏の胸ひき肉など、あれこれ選び始めました。
秋になると、菊花が出回ります。
その昔、菊花は目に良く、目から来る頭痛にも良いと聞いたことがありました。
頭痛持ちではないのですが、秋のほんの束の間に見られる菊花に秋を感じ、見かけると買い求めて、酢の物を作ったり、年に 1 〜 2 回は身体に取り入れていました。
今回、肉詰めの準備をすることになった時、菊花が手元にあったので、お肉の中に混ぜてみようと思いつきました。
お肉の味付けは、いつも塩こうじを使います。
自然な塩味がつき、お肉も柔らかくなるので、おすすめです。
ちなみに、お茶を飲みながらお料理をしていると、お茶に月桂樹の姿が映っていました。
山の家のキッチンの前に月桂樹の苗を植え込んだのは、いつの頃だったか...
思い出せないくらい大昔のことです。
その月桂樹は大きく茂って、植え込んであげた私たちを、今では見下ろすくらいに大きくなりました。
その姿がお茶に映って、あけびや菊花など、秋の味覚といい、ホクホクとした気分になり、せっせとお料理に精を出しました。
さて、あけびと菊花のお料理について、下のように、レシピをご案内します。
<素材> 4 人分
・あけび 2 個
・マッシュルーム たくさん
・塩こうじ 大さじ 1
・菊花
・鶏胸ひき肉 100g
・片栗粉 少し
<作り方>
・あけびの中身を取り出す
・ボウルにあけびの中身とその他の具材を細かく刻んで混ぜる
・あけびに詰める
・お肉が余ったら、マッシュールームにも詰める
・鍋にオイルを引いて温める
・あけび、マッシュルーム、プチトマトを並べて、火を通す
・白ワインを少々加えて蒸し焼きにする
・レタスを敷いた上に並べる
菊花にある薬効は大阪医科薬科大学のリンク先をご覧ください。
こちらのサイトでは、菊花について、以下のとおり紹介されていました。
「菊花茶としても流通しており、夏の暑い日に爽やかな味のお茶はおいしいだけでなく、体の余分な熱を取ってくれる。成分はボルネオールなどの精油とルテオリンなどのフラボノイド」
これまで、菊花茶というお茶があるなんて、知りませんでした。
暑い夏の日にいただくと、さっぱりとした味わいで良いかもしれませんね。
年に 1 〜 2 回、菊花をいただくばかりでなく、健康のために、菊花茶を購入することを検討してみようと思いました。
精油に関しては、アロマテラピーの認定校の講師として、説明できますよ。
精油というのは、薬用植物が発散する香りの成分をぎゅっと凝縮させたものです。
その精油の中には多種多様の香り成分が含まれています。
その中には、アルコールの仲間があります。
ボルネオールは、アルコールの仲間のうちの一つです。
アルコールの仲間ということから、抗菌作用や抗ウイルス作用などに秀でています。
そうした働きのある香りを発散させることで、植物は自分を守っている訳です。
さらに、ボルネオールには、アルコールとしての働きだけでなく、免疫調整作用もあわせ持ちます。
また、胆汁分泌促進作用もあるんですよ。
胆汁というのは、肝臓の中で始終作られている黄褐色の液体で、脂肪を乳化させるものです。
胃の中でこなれた食物は、十二指腸を通って小腸へ運ばれていきますが、その時、胆汁が出てきて、食物と混ざり合うんです。
そうすることで、脂肪の消化吸収を助けてくれるんですね。
菊花に含まれているボルネオールは、その胆汁の分泌を促してくれるそうです。
ルテオリンについては、ハーバルプラクティショナーとして次のように説明できますよ。
フラボノイドに属するルテオリンは、植物に一般的に含まれている成分で、黄色色素でもあります。
菊花の黄色い花にフラボノイドがたくさん含まれていることが想像されます。
ルテオリンには、抗炎症作用、抗かゆみ作用が報告されているとのことです。
伝統医薬データベースでは、菊花について次のように掲載されていました。
「解熱、解毒、鎮痛、消炎薬として、感冒、発熱、悪寒、頭痛、目赤腫痛などに応用する」
以前、聞きかじった目や頭痛に良いというのもうなづけます。
また、大阪医科薬科大学のお花紹介サイトを眺めていると、あけびも薬用として使われるとあり、ちょっと驚きました。
次のように引用します。
「薬用部位は茎で木通(モクツウ)と呼び利尿、通経、排膿薬に使われる」
血の巡りを良くしてくれそうですね。
今回のあけびの肉詰めには茎はなかったのですが、薬効のある食材というのは、気づかぬ間に、身の回りにいろいろあるものだなぁとつくづく思いました。
ほんの束の間の秋の味覚ですが、薬用などと、こむずかしく考えることもないですね。
苦味の効いた大人の味わいはとても美味しく、秋を感じるあけびと菊花の肉詰めで、秋をうんと堪能したいと思います。
さて、私たち家族の連休最終日、
自宅に向けて、帰り際に写した写真を 1 枚、ご覧ください。
庭先の金木犀の花が少しだけほころんでいました。
ほんのちょっとですが、皆さまに秋をお届けしたいと思います。
少し難しい部分もありましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
アロマとハーブで
ありのままでいられる暮らし
起糸でした。
バイバイ。
参考文献
・大阪医科薬科大学のお花紹介サイト
・伝統医薬データベース
・ナード・アロマテラピー協会 ケモタイプ精油事典
・薬学生のための天然物化学テキスト 廣川書店