こんにちは
心とカラダを整える
ハーバルセラピストのたかこです。
東京都薬用植物園から
初夏シリーズをお届けしています。
今日は、
これまでの観察を踏まえ
温室の中の様子を
お伝えしたいと思います。
温室は
寒い冬の季節はありがたく
暑い夏日の日には涼しい風が吹き
常に緑の世界は
ガラス 1 枚で完結され
花々の芳しい香りに満ちている
まるで天国のような場所です。
常に同じような環境にあるため
植物の生育は分かりづらいかというと
そんなことはありません。
季節が巡れば
温室の中でもあらゆる変化が見て取れます。
下の写真はタコノキの様子です。
左が早春の様子。
右が初夏の様子。
初夏は少しうっそうとした感じでしょう?
タコノキは準絶滅危惧だそうで
小笠原原産だそうです。
大きな岩の上でしっかり根を張り
立ち上がっています。
写真を見ても分からないのですが
岩からは清水が流れているんです。
小さな滝が流れ落ちて
池がしつらえてあります。
タコノキは
湿潤で温暖な気候が好きなんですね。
赤く小さな花の群れは
シクンシです。
赤い小花は
4 月から見られるようになりました。
薬用植物だそうです。
東京都薬用植物園の
ネームプレートから
以下、引用します。
シクンシはシクンシ科の植物です。
薬照部分は果実。
適用は駆虫剤。
花は甘い香りを放ちます。
朝から午後にかけ、花いろが
白からピンク・赤に変わります。
本来は熱帯アフリカからインド
マレーシア地域が分布域ですが
現在は熱帯の至る所に植えられています。
とても高い所に
花がしつらえてあるので
シクンシの甘い香りを感じることが
叶わないのですが
4 月に比較すると
夢のようにうっそうとしてきています。
熱帯地方は昆虫のすみかなので
駆虫剤としての働きのある植物は
たくさんあるのではないでしょうか。
東京都薬用植物園には
2 月から通っています。
常々、赤く細く伸びる茎が
とても気になっていました。
4 月になると
赤い茎の先にふっくらとした
つぼみをつけているのを発見しました。
左は 4 月の様子。
右が 5 月の様子。
東京都薬用植物園サイトから
以下、引用します。
クワッシアはニガキ科の植物です。
学名は Quassia amara。
和名はスリナムニガキ。
苦味健胃薬等の薬用とするため
栽培されることもあります。
南アメリカが原産地。
暑い国は植物の種の宝庫で
見たこともない形で
種の保存を図っています。
香りの強いもの
色彩の豊かさ
薬用として
用いられることも多いですね。
セイロンニッケイの樹木も
花盛りでした。
セイロンニッケイの樹皮が
香辛料のシナモンになります。
東京都薬用植物園の
ネームプレートから
以下、引用します。
セイロンニッケイの学名は
Cinnamomum zevlanicum Nees 。
クスノキ科の植物です。
用部は樹皮。
用途は香料、解熱、鎮痙、漢方。
成分はシンナムアルデヒド、オイゲノール。
香辛料に使う分には良いのですが
精油として使う場合は注意が必要です。
精油に使われる植物の学名は
Cinnamomum verum J. Presl. 。
常に学名で判断するんです。
経口使用以外の安全性の要約は
下記のとおりです。
<シナモンバーク>
用部:若木の乾燥した内樹皮。
危険性:薬物相互作用、血液凝固を阻害する可能性。胎児毒性、皮膚感作性、粘膜刺激性。
禁忌:妊娠中、授乳中。
皮膚最大使用量:0.07 %
<シナモンリーフ>
用部:葉
危険性:薬物相互作用、血液凝固を阻害する可能性。サフロナール含有の可能性、皮膚感作性、粘膜刺激性。
皮膚最大使用量:IFRA 0.6 %
(精油の安全性ガイド ティスランド&ヤング著)
アロマテラピーを学んでいる最中に
一般的な使用量で皮膚塗布した時に
真っ赤になったことがあります。
それ以来、
私は、
スキンケアにシナモンの精油は
使わなくなりました。
当時、初属していた
アロマテラピー協会で
シナモン精油の安全性について
丁寧に指導していないことに
とても疑問を感じています。
さて、
4 月に来訪した時に
イランイランの若い花を見つけました。
緑が黄色くなるのですが
今回、観察した時はちょっと枯れ気味。
今後、フレッシュなイエローが
見られると思います。
上段が 4 月の様子。
下段が 5 月の様子。
イランイランの花は間近で観察でき
花の匂いを嗅いでみると
濃厚で野生味を帯びた
セクシャルな香りがしました。
イランイランの精油についても
以下、記載しましょう。
アブソリュートでない
精油の安全性の要約
危険性:皮膚感作性
経皮の注意:敏感肌、疾患または損傷を受けた皮膚、2 歳以下の乳幼児。
最大皮膚使用量:0.8 %
イランイランの精油には
蒸留の過程で分留された
5 つの種類があります。
・エクストラ
・ファースト
・セカンド
・サード
・コンプリート(すべての混合物)
(精油の安全性ガイド ティスランド&ヤング著)
私は、エクストラと
コンプリートを使いこなしています。
最初に蒸留されるエクストラは
よりクリアな香りがします。
暑い国の植物は
本当に香りが強いです。
イランイランの精油を
アロマとして使う場合は
ほんのちょっとがポイントです。
初夏の植物園で、と銘打ち
東京都薬用植物園の 5 月の様子を
お伝えしてきました。
今日は温室栽培されている
植物の観察経過などご案内しました。
・タコノキ
・シクンシ
・クワッシア
・セイロンニッケイ(シナモン)
・イランイラン
これにて
初夏の植物園シリーズは
終了となりました。
長いシリーズでしたが
最後までお付き合いくださり
心から感謝しています。
梅雨シリーズも
楽しみにしていてください、
お日さまと土と風と水を感じながら
植物とともにある暮らしに癒されて
ありのままでいられる暮らし
起糸でした。
バイバイ。
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